山形県米沢市の笹野観音。別名をあじさい寺。市の中心部から少し離れていますが、米沢観光の際には必ず立ち寄りたい、風情あふれる寺院です。
境内に一歩足を踏み入れれば、歴史と自然が生み出すパワーを全身に感じることができる、究極のパワースポット。派手さはないものの、昔ながらの趣ある雰囲気には、すーっと心が浄化されるような不思議な力があります。
笹野観音の歴史はとても古く、遡ること1200年以上前の810年、坂上田村麻呂が国家安泰のために建てたといわれている寺院です。米沢に深いゆかりのある上杉家が深く信仰していたとされており、健康祈願や天候回復をここで祈ったそうです。徳川軍の攻撃に備え、ここ笹野観音の林に鉄砲60本を隠していたとか。1833年、火災により本堂が消失しまい、現在のものは1843年に再建されたものです。どっしりとした茅葺き屋根が特徴で、建設に関する記録書や図面も現在しています。
米沢市内唯一の市指定文化財建築物で、2017年には県の『未来に伝えるやまがたの宝』にも登録されました。
笹野観音堂と西国三十三観音 歴史と伝統の息づく里 | 未来に伝える山形の宝
裏の杉林に見守れるように、でもどこか少し寂しげに建つ本堂。やはり茅葺き屋根の重厚感がすごい!柱にはウサギや鳳凰などの生き物の彫刻が、細かく施されています。天井をふと見上げれば、明治時代に寄贈された絵画などが置かれています。観音さまの周りにも明治時代前後の歴史ある宝物が多数!!
境内にはこの本堂のほか、御朱印をいただける社務所、多数のお堂や地蔵、そして雨雪をしのいで座ることができる休憩所があります。
中でも一際目立つ地蔵菩薩は高さ5メートルと、山形県南部一の大きさを誇ります。本堂よりも更に古く、沢山の人々この場所からを見守ってきたのでしょう。
また、敷地内には何本もの紫陽花が植えられ、6月終わりから7月いっぱいまで色とりどりの花が咲き乱れることから、別名を【あじさい寺】と呼ばれています。
見渡す限りの紫陽花は、寒い冬には雪除けをつけ、大切に育てられています。お地蔵さまと紫陽花のコラボレーションが素敵!
笹野観音堂周辺には、伝統工芸品【笹野一刀彫】の実演・販売を行う鷹山や、古民家で二八蕎麦をいただける【なでら】があります。あわせて是非行ってみてください。
米沢観光の参考にしていただければ幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。
《笹野観音》
公式HP:笹野観音 真言宗長命山幸徳院笹野寺
JR米沢駅よりタクシーで15〜20分