山形県南陽市の山奥にある蕎麦屋【小滝蕎麦 ゆかりや】(以下、ゆかりや)のご紹介です。大自然に囲まれた雰囲気ある古民家でいただくお蕎麦は、一度食べたら忘れることができない絶品蕎麦です。
赤湯温泉は900年もの歴史がある温泉ながら、温泉街はモダンに整備されており、とても綺麗な街並みです。
その赤湯温泉から山の方へ山の方へと車を走らせること約20分。まさに山の中に【ゆかりや】はあります。
周辺には線路もないので最寄駅は遠く、路線バスが辛うじて走っていますが本数はかなり少なめ。交通手段は専ら車になります。
赤湯温泉からの道中では牛舎や田畑が広がる、まさに日本らしい田舎風景を楽しむことができます。クマが度々出没するエリアでもあり、『クマ注意』の看板があちらこちらに建てられています。
Goole mapで見ても山間にあるのは一目瞭然。国道沿いなので、車さえあれば一本道でスムーズにたどり着くことができますが、お世辞にもアクセスが良いとは言えません。
お店の外観。見事な緑に囲まれ、夏にはヒグラシやウシガエルの声だけが響きます。冬はとても雪深く、それもまた趣があります。
この立地にありながら、店は11:00の開店と同時に賑わい始め、駐車場はすぐ満車に。地元の人が知る人ぞ知る店…と思っていましたが、最近は関東ナンバーの車を随分見かけるようになりました。
皆さん、美味しい店をよくご存知ですね。
ランチタイムのみの営業で、お蕎麦がなくなり次第終了です。
さて、いよいよ玄関を入り、靴を脱いでお店に入ります。
土間を抜けたところにあるどこか懐かしさを感じる広い和室には、テーブル席と座敷席が綺麗に配置されています。照明が豆電球で、和によく調和する優しい明かりが店内を灯します。
お水とお茶はセルフサービス。
濃いめに出た温かい蕎麦茶がまた美味しいのです。
どのメニューを頼んでもお漬物がサービスでつき、注文を終えるとすぐにテーブルに運ばれてきます。
日によって具材は様々ですが、この日は珍しいキクラゲも。山形らしく塩気がやや強めなので、漬物を残している方を見ると「あ、県外から来た方かな?」なんて思ってしまいます。
この日は山形名物板そば1,300円をオーダー。
板そばは通常のもりそばの約2倍の量が入っています。1人でたっぷり食べるもよし、2人で分け合うもよし。1人で食べる場合はお値段1,080円。
お蕎麦は噛みごたえがしっかりとある田舎蕎麦ながら、細めで喉越しが良い。蕎麦の香りがふわりと広がり、おつゆに付けてしまうのがもったいないと思う程。
しかし、お蕎麦の半分をおつゆに浸しツルツルとすすると、甘くて濃いめのおつゆがしっかりと蕎麦に絡み、絶品。
女性でもペロリと板そばを完食する人も多いのではないでしょうか。
山形の多くの蕎麦屋にあるメニュー、げそ天。テーブルの上に置かれた塩を少ーしふりかけて、お蕎麦の間に頬張ります。このボリュームで250円。
ゆかりやの蕎麦の旨みを味わいたいのなら、もり蕎麦かかけ蕎麦ですが、ふるっぱそばも名物の1つ。ふるっぱそばとは、山形県河北町名物の冷たい肉そばのこと。お肉の出汁がたっぷりと出た甘めのおつゆが特徴です。冬は温かい肉そばもあります。
接客は素晴らしい程ではありませんが、フロアに従業員さんの数が多いため、混んでいても回転が早く、待ちが少なくて◎。
数年前に東京から移住し、ゆかりやを知ってからというもの、すっかり虜に。
家からは決して近くないのですが、美味しいお蕎麦が食べたいた思った時には車を走らせ、もう何度も何度も訪れています。
都会の人が旅行に求めているのは、まさにこういう雰囲気、味、趣のお店ではないのでしょうか。是非一度、わざわざ行ってみていただきたいお店です。
◯小滝そば ゆかりや◯
営業時間 11:00〜14:00(木曜定休)
ゆかりやから行きやすい隣町の白鷹町☆
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